美しすぎる少女のミイラ、ロザリオ・ロンバルドの謎

世界一美しいミイラ、ロザリオ・ロンバルドの写真

世界一美しいミイラ、ロザリオ・ロンバルド

まるで精巧な人形のようにも見える、少女の寝顔…

静かに眠り続ける彼女、実はミイラなのです。

彼女の名前はロザリオ・ロンバルド(Rosalia Lombardo)。病気により、わずか2歳で命を落とした後、イタリアはパレルモにあるカプチン・フランシスコ修道会のカタコンベ(地下納骨堂)に埋葬されました。

カタコンベに埋葬された約8000体の遺体のほとんどが白骨化している中、彼女だけは今も生きているかのように、生前の姿を残しています。

…今にも瞳を開けて、動き出しそうほど。

ロザリオ・ロンバルドは「世界一美しいミイラ」として知られ、死して100年以上経つ今も、生前そのままの姿で安置されています。

彼女はなぜミイラになったのか、なぜこんなにも美しい姿を保っているのか?

世界一美しいミイラ、ロザリオ・ロンバルドの謎に迫ります。

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ロザリオ・ロンバルドがミイラになるまで

ロザリオ・ロンバルドは、イタリア陸軍将校であったマリオ・ロンバルドの娘。

父親に愛されて幸せに成長していたロザリオですが、2歳の時に肺炎にかかり絶命。その短すぎる生涯を終えました。

愛娘の死を嘆いた父マリオ・ロンバルドは、せめて娘の姿を残したいと強く望み、医師アルフレッド・サラフィアにロザリオのミイラ化を依頼。

ロザリオの遺体はサラフィア医師の手によりミイラ化処理を施され、カプチン・フランシスコ修道院に安置されました。

けれど、死後しばらくすると、彼女を訪れる人はいなくなってしまったとか。

死してなお生きているかのような姿を見るのが想像上に辛かったのか、あるいは何か別の事情があったのか…

それは今となっては、知る由もありません。

美しすぎるミイラの秘密、死蝋とは

ロザリオ・ロンバルドが生前そのままの美しい状態を保っている現象は、「死蝋(しろう)」と呼ばれるもの。

一般的なミイラは遺体が乾燥したものですが、死蝋は逆に、湿度の高い環境で起こります。

湿度がありながら腐敗しないという特殊な条件下で、遺体全体の組織が蝋状に変化したものが死蝋。ミイラというよりは、蝋人形と言ったほうが近いかもしれません。

ごくまれに自然現象として起こることもありますが、ロザリオ・ロンバルドの死蝋化は自然現象ではなく、サラフィア医師によって人工的に施されたもの。

しかし、ここまで完璧な死蝋を人工的に作ることは現代の技術をもってしても難しく、サラフィア医師がどのようにロザリオのミイラを作ったのかは、長いこと謎のままでした。

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2009年ついに明かされた、ロザリオの秘密

長らく謎であったロザリオ・ロンバルドの謎に進展があったのは2009年。

イタリア人学者ピオンビーノ・マスカリの調査により、アルフレッド・サラフィア医師の手記が見つかったのです。

手記に記されていたのは、サラフィア医師がミイラ化に使用した薬品や彼が行ってきた遺体防腐処理の記録。

その記録により、サラフィア医師がホルマリン、グリセリン、アルコール、亜鉛酸、グリチル酸など、実にさまざまな薬品を駆使して、死蝋化現象を人為的に起こしていたことがようやく判明するに至りました。

さらに驚いたことに、CTスキャンでロザリオのミイラを調べたところ、彼女の遺体は脳も眼球も内蔵も、すべてが完璧な状態で保存されていたのです。

まさに生ける死体と呼んでもいいロザリオ・ロンバルドの存在と、それを100年も前に実現していたサラフィア医師の技術には、ただただ驚くほかありません。

現在のロザリオ・ロンバルド

ロザリオ・ロンバルドが安置されているカプチン・フランシスコ修道会のカタコンベは観光地化されており、入場料を支払って見学することが可能です。

ロザリオのミイラは、サラフィア医師の手記を発見したピオンビーノ博士らの手で大切に保存され、今もその美しい姿を見ることができます。