天使とキューピッド(クピド)の違い

天使とキューピッドの姿

絵画などで、背中に羽のある赤ちゃんの姿を見たとき、あなたは天使だと思いますかキューピットだと思いますか?

天使とキューピッドの見た目はとても似ているので、混同されがちです。

しかし、天使はキリスト教やユダヤ教の神様の使い、キューピッドはローマ神話の愛の神。似ているようで、まったく違う存在なのです。

では、いつから混同されるようになったのでしょう。

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天使について

天使はキリスト教やユダヤ教の聖伝や伝承に登場する「神の使い」です。

古くから絵画にも描かれており、中世までは子供の姿ではなく成人の姿で描かれていました。

有名な天使のミカエルやガブリエルは子供の姿はしていません。

 

『悪魔を打ち負かす大天使ミカエル』
1636年頃
グイド・レーニ
『悪魔を打ち負かす大天使ミカエル』 1636年頃 グイド・レーニ
『ヘントの祭壇画』に描かれたガブリエル(一部)
1432年
フーベルト・ファン・エイク、ヤン・ファン・エイク
『ヘントの祭壇画』に描かれたガブリエル(一部) 1432年 フーベルト・ファン・エイク、ヤン・ファン・エイク

キューピッドについて

「キューピッド」は「クピド」や「アモール」とも呼ばれるローマ神話の愛の神です。

ギリシャ神話の愛と欲望の神「エロス」とも同一視されています。

神話では人間の娘プシュケに恋をする青年として登場します。

絵画などでも青年のキューピッドはよく描かれ

『プシュケとキューピッド』1798年フランソワ・ジェラール
『アモールとプシュケ』1589年ツッキ

などでは青年として描かれています。

もともと青年として神話に登場したキューピッドでしたが、ヴィーナス(アフロディーテ)の子供というイメージが強いせいか、絵画では子供や赤ちゃんの姿をして描かれたものが多くあります。

『ヴィーナスとアドニス』1554年ティツィアーノ
『バックスとクピードー』1848年ジャン=レオン・ジェローム

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赤ちゃんの姿をした天使はプット

一方、天使のほうもルネッサンス期からは羽の生えた赤ちゃんとして描かれることも多くなりました。

このような赤ちゃんの天使はプットと呼ばれます。

もっとも有名なのは、ラファエロの『システィーナの聖母』に描かれたプットでしょう。

天使とキューピッドの見分け方

プットがこんなにもキューピッドに似ているのは、キューピッドをモデルとして描かれたからだそう。

とってもよく似ていますが、見分けるポイントが2つあります。

一つ目は、弓矢を持っていたらキューピッドということ。

有名な愛の弓矢ですね。これを持っていたら、愛の神キューピッドです。

 

2つ目は一緒にいる女性で見分けられます。

女神と一緒にいたらキューピッド、マリア様と一緒にいたら天使です。

女神とマリア様の違いは来ているものやポーズで区別がつきます。

裸や布を巻いただけの姿で官能的なポーズをとっているのは女神。
青い衣装を着て、敬虔なポーズをとっていればそれはマリア様です。